9.7億円調達の舞台裏。強力なパートナーと共にセーフィーはどのような未来を目指すのか

2017年9月28日、オリックス株式会社、関西電力株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、NECキャピタルソリューション株式会社が運営するファンド、株式会社ティーガイアと資本業務提携を行い、9.7億円の資金調達を実施しました。業務提携及び資金調達の発表に際して記者会見を行いましたので、その様子をレポートします。

「監視」から「未来を可視化する画像プラットフォーム」を目指して

セーフィーは、カメラとインターネットをつなぎ、クラウド録画型の映像プラットフォームを展開してきた企業です。各社と業務提携を行うことで、セーフィーをより多くのユーザーに届けるための営業基盤の拡大や、サービスを便利にするための画像解析連携等の技術開発を加速していきます。

9月28日の資金業務提携発表に伴い、記者会見を実施しました。最初にセーフィー株式会社 代表取締役 佐渡島 隆平が登壇。これまでのセーフィーの取り組みから、これからの事業展望までを語りました。

写真コメント:セーフィー株式会社:代表取締役社長 佐渡島隆平

佐渡島:
「ソニーの木原研究所からスピンアウトし、セーフィー株式会社を設立してから約3年が経ちました。セーフィー対応カメラの出荷も1万台を越え、スモールビジネスから大企業まで、様々な業種・業態の方にセーフィーのカメラを導入いただいています。」
様々な業種や業態に導入いただくことで、セーフィーのサービス活用方法も拡がっていきました。

佐渡島:
「ただ監視するだけ」のカメラから、「未来を可視化する画像解析のプラットフォーム」へ、セーフィーは進化しています。街や地域の安心、施設の防犯や安全管理、防災支援、ビジネスの効率化・円滑化から、マーケティング支援、映像コンテンツとしての活用まで、あらゆるシーンやニーズに合わせたサービスを提供できるようになりました。

記者会見で導入事例をいくつか紹介しました。
ある建設会社との取り組みでは、建設現場の様子をセーフィーのカメラで定点撮影し、建設の実務の工程を記録。研修や教育向けに活用しています。
他にも、氾濫の危険性がある川の様子を映像で記録し、豪雨の日などに近隣の小学校の校長先生が登下校の判断をする時にその映像を活用していただいている事例もあります。

九州朝日放送とともに、ゴルフトーナメントの中継を実施。ゴルフ場の様々な地点にセーフィーのカメラを設置。

テレビでは追いきれない練習場、1番ティーショット、18番ホールなどを中継し、それが数千人の人々にリアルタイムで配信されました。このようにセーフィーのカメラで撮影した映像をコンテンツとして楽しむ事例も出てきています。

映像の活用事例は増えているものの、より映像をソリューションとして活用するためには、さらなる技術開発が必要でした。佐渡島は今回の協業を次にように語ります。

佐渡島:これまで3年間かけて、様々な種を蒔いていきました。それが今、発芽しつつあります。さらなる事業展開を目指して、強力なパートナーを迎えることにしました。資本業務提携を選んだのは、約10億円の資金を預けてもらうのではなく、一緒にビジネスを活性化していくパートナーとして取り組みたかったからです。 様々な社会課題を映像の力で解決するためには、自社だけでできることに限界があります。

今回5社と資本業務提携を結び、約10億円という資金を活用することで、映像の解析技術の強化や販路の拡大などを行っていきます。

2014年の創業以来、累計資金調達金額は約13.5億円となりました。
「テクノロジーを通じて誰もが安心できる社会を創る」を目指して、様々な社会課題を映像という手段を使って解決していきます。

事業成長を加速させるために、各社と取り組んでいくことは?

写真:目黒雅叙園「オリオンの間」での会場当日の様子

記者会見を終えて、資本業務提携を結ぶ各社からコメントをいただきました。

インフラ資産や光回線、モバイル通信を活用したサービスの共同開発

写真:関西電力株式会社:IT戦略室 ITビジネス部長 西岡知一さま

関西電力株式会社は、電柱などのインフラ資産に加え、映像を伝送する光回線、モバイル通信やIoT等の情報通信事業を保有しています。
今回の協業を通じて、両者の強みを活かしたサービスの共同開発を進めていきます。
将来的には、AI・データ解析などの強みを持つ企業と連携することで、映像データを活用した新しいサービスの創造にも取り組むことを計画しています。

「セーフィーが、品質面、価格面、セキュリティ面で競争優位性があり、拡張性の高い映像プラットフォームであること。それを扱う技術に優れた人材がいることに惹かれました。カメラを設置できるインフラ資産や映像伝送のための情報通信事業を保有する当社グループにとって、両社の強みを生かした付加価値の高いサービスを開発していける企業と考え、提携させていただきました。」

リースを活用した導入支援や、取引先への販売促進を行う

写真:オリックス株式会社:理事 東日本営業副本部長 宮津正治さま

オリックス株式会社は、リース事業を軸に、不動産、銀行、保険、事業投資、プロ野球球団などの多角的な事業を展開する企業です。
同社の取引先およびグループ企業へのセーフィーの販売促進や、リースを活用した導入支援を行っていきます。

「日本の組み込み技術とインターネットが掛け合わさり、その両方がわかる人にしかつくれないサービスだと感じました。日本企業の弱点を克服し、世界に打って出て、 世の中を変えるサービスになるのではないか。営業力でバックアップし、オリックスの顧客向けに展開。市場を席巻していきたいと考えています」

キヤノンが保有するネットワークカメラを活用し、映像ソリューションサービスの普及に務める

写真:キヤノンマーケティングジャパン株式会社:NVS統括本部 NVS企画本部 NVS企画部 部長 内藤照行さま

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、映像を活用したソリューション提案の全国展開を進めていきます。

キヤノンがネットワークカメラを有していることに加え、キヤノンのグループ会社にネットワークカメラの世界最大手企業「Axis Communications」があります。
これらのアセットを活用し、カメラや映像ソリューションサービスをより多くの人に届けられるように協力します。

「『監視カメラ業界を変えていきたい』と本気で考えているセーフィーの理念が、キヤノンマーケティングジャパンの目指す映像ソリューション事業の方向性と一致していると感じたんです。
『一緒にビジネスを進めることで、本当に世の中を変えられるのではないか?』と思い、本協業の検討を本格化しました。
私たちはセーフィー社と近い領域で事業を展開しています。そのため、現実のビジネスとのギャップやクラウドビジネスの難しさも理解できます。
『一緒にやることで何が創造できるか?シナジーは何か?』を考えることが、とても大切だと感じています」

また、協業に至るまでのエピソードについても語っていただきました。

「協業の話を進めるMTGをセーフィーのオフィスで実施した際のことです。お客様との打ち合わせから、大汗をかきながら走ってオフィスに戻られた佐渡島さん。
ビルの入り口で待つ私たちと遭遇し、オフィスに自らご案内いただきました。その姿がとても印象的だったんです。いつもお客様ファーストで考える信頼に値する人物だと感じました。」

NECグループの技術を活用し、様々なソリューションの開発に取り組む

写真:NECキャピタルソリューション株式会社:ソリューション本部ベンチャーファンド部長 國枝和雄さま

NECキャピタルソリューション株式会社は、NECグループの中でもリースや金融領域の事業を扱っています。今回、ベンチャーラボインベストメント社、NEC および NEC ソリューションイノベータ社などの協力のもと、資本業務提携を行いました。
NECグループが保有する顔認証システムなどの様々な技術と連携することで、フィジカルセキュリティ、スマートホーム、デジタルマーケティングなどの展開支援を行います。

「NEC本社で開催したベンチャーイベントで佐渡島さんが登壇されたのが協業の最初のきっかけです。その際に、自宅で使われているセーフィーのカメラから中継される映像を披露していたのが印象的でした。」
協業に至った理由は3つあります。セーフィーのカメラは導入の敷居が低く、低価格でイノベーティブだと感じたこと。ソニーの木原研究所出身ということもあり、技術に期待していること。ビジネスアライアンスが具体化していたことです。」

小売店舗の接客や生産性向上に、映像を活用していく

写真:株式会社ティーガイア:取締役専務 コーポレート戦略本部 本部長 近田剛さま

株式会社ティーガイアは、国内最大手の携帯電話販売代理店です。

自社で運営する店舗においてセーフィーのサービスを導入し、店舗の生産性向上に取り組んでいただく予定です。
同社は法人向けにネットワーク事業「TG 光」や、無線LANの構築事業を展開しているため、そこにセーフィーのサービスを組み合わせ、
販路の拡大に取り組むことも計画しています。
今後は、画像解析などの技術を活用した店舗ソリューションの共同開発も視野に入れています。

「防犯カメラ業者を選定し、集中購買をする業務に取り組んでいた時に、はじめてセーフィーの説明を受け、利用しました。
その際に『こんなカメラが欲しかった!』と強く感じました。今までの「見れる」だけのカメラから、多様なビジネスに具体的に繋げる内容に、さらに驚いたんです。
接客型の小売店舗のIT化はまだ発展途上です。課題解決のひとつの手段として、画像解析があると考えています。
セーフィーと連携しながら新しいソリューション開発を進めて行ければと考えております。」

セーフィーより最後に一言

発表会のレポート記事を最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
この度の発表会では各協業先のパートナー企業さまはじめ、たくさんの方にご協力頂き開催することができました。

関わってくださった皆さま、当日ご来場頂きました皆さま、記事にしてくださいましたメディアの記者さま、改めてこの場を借りてお礼申し上げます。 本当にありがとうございました。

今回の業務提携及び資金調達をセーフィーの新しい時代の始まりとして、今まで以上にスタッフ一同尽力してまいります。 今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。