IHI駐車場・工事現場でクラウド活用。
膨大なデータを現場に出向いて回収する手間を削減する

IHI運搬機械株式会社は、1973年設立以来、IHIグループの運搬機械の総合メーカーとして、パーキングシステムおよび運搬機械の製造・販売事業を展開しています。

(取材:2017年6月)

導入の決め手

  • クラウド録画型だったため
  • 綺麗な映像を撮影できるため
  • カメラがとても小さく安価であったため

導入目的

  • カメラの映像を、現地まで出向いて回収するのに手間がかかっていたので、解消したかった

導入した結果

  • 工事現場での安全管理について一つステップアップできた
  • 本社と現場の距離が近づいた
  • 映像を確認することにより次回設計の参考にできることが分かった

IHI運搬機械株式会社は、昭和48年の設立以来、IHIグループの運搬機械の総合メーカーとして、パーキングシステムおよび運搬機械の開発・設計・製造・販売・据付・メンテナンス・改修・運営管理を製販一貫体制で展開。両事業において業界トップシェアを誇っています。

今では当たり前のタワーパーキングを日本で初めて開発したのも、IHI運搬機械株式会社です。そんな歴史ある同社では、駐車場と工事現場で合わせて30台のセーフィー対応カメラを導入いただいています。今回は、IHI運搬機械株式会社の芳賀さんにお話を伺いました。

今も新しい駐車場の形を模索中

パーキングシステムの開発や販売のリーディングカンパニーとして事業を展開してきたIHI運搬機械。事業が成長する中で出てきたのが、自走式パーキングシステムは他社との差別化が難しいという課題でした。

芳賀さん:私たちはパーキングと運搬機械の2つの事業を展開しています。その中でも特に自走式パーキングは他社との差別化が難しく、新しい挑戦を行うことが難しい分野。おそらく皆さんが駐車場を探す時に重視するのは、「近い」と「安い」の2点だと思います。極端な話、車を停められればいいという方がほとんどなんですよ。

このような課題を抱えつつも、IHI運搬機械は新しい取り組みの挑戦や、他社との協業を推進し、差別化を図ろうとしています。

芳賀さん:IHIでは自走式パーキングをエコなものに変え、それを付加価値に繋げていこうと挑戦しています。例えば、照明をLEDに変えたり、それを反射させる床の色や照明の向きに着目して少しでも電力消費が少ないエコな駐車場を目指したりといった取り組みを行っています。

IHI運搬機械の中でも芳賀さんは新規事業の担当。エコな駐車場以外にも、様々な事業のあり方を模索していると語ります。

芳賀さん:運搬機械事業も駐車場事業もすぐに何か新しいことができるというわけではないのですが、10年、20年先の未来を見据えた部署が新事業グループになります。例えば自動運転技術の普及、駐車場シェアリングサービスの登場など、様々な外部要因を視野に入れながら業界に新しい風を吹かせていければと思い、今回セーフィーさんのカメラを導入させてもらったんです。

大量データの保管も、クラウド管理で解決!

現在IHI運搬機械では、運営する駐車場と工事現場に合わせて30台のセーフィー対応カメラを導入いただいています。

導入以前は、他社の防犯カメラ・監視カメラを使用していたと語る芳賀さん。その際に抱えていた最も大きな課題は、膨大な動画データの保存の手間でした。

芳賀さん:防犯カメラ・監視カメラを設置している駐車場や工事現場の中には、遠方にあるものも多いんです。今まで使用していたカメラでは、動画データがSDカードに保存されるので、現場のスタッフが都度現場に行き、SDカードを抜いて本部のPCに保存しなければなりませんでした。膨大な動画データをいちいち保存するのは、とても手間だと。

「クラウドに保存できるカメラはないか」そう考えて探していく中で見つけたのが、セーフィーのカメラでした。

芳賀さん:導入の決め手になったのは、クラウド保存であれば膨大な量のデータをSDカードからPCに移す必要がなく、いつでもどこでも映像を確認できるポイントです。実際に導入してみて驚いたのは、これだけ綺麗な映像を撮影できるカメラがとても小さく安価であるという点でした。

駐車場と工事現場。セーフィー対応カメラの2つの異なる使い方とは

芳賀さん:工事現場での利用用途は安全と防犯です。工事の進捗に合わせて、危険な箇所を撮影したり、現場の出入り口付近を撮影しています。工事現場では、安全対策が一番の課題なんです。今までも事故や災害を起こさないために現場の定期的なパトロールや安全教育などを行ってきました。しかし、現場は大変広く隅々まで現場監督の目が行き届くようにするのは容易なことではありません。カメラを導入することによって、安全性という点で一つステップアップできたのかなと感じています。

カメラの映像を確認しているのは、主に現場監督と本社の安全担当の方。設計や営業のデスクからも映像を見ることができるように、60インチの大きなモニターに映像を映しているそうです。

芳賀さん:セーフィー対応カメラを導入する前は、本社と現場の繋がりはどうしても薄かったんです。本社の社員は、月1回のパトロールと現場監督からの報告のみ受けていたので。でも、本社にあるモニターからカメラで撮影された映像をいつでも確認できるような体制を整え、何かあった時のフォローができるようにすることで、本社と現場の距離がグッと近づきました。

続いて、駐車場での使用方法に関しても芳賀さんは教えて下さいました。セーフィー対応カメラが設置されている駐車場は、大阪や熊本と遠隔地にあるため、主に本社の物件担当の方が映像を確認しています。

芳賀さん:駐車場の現場ではセキュリティという目的だけではなく、車や人の導線を映像で確認して次回の設計する際の参考にしたり、表示看板の効果的な位置を検証するのにも役立てています。入口と出口にカメラを設置することで、車1台あたりどのくらいの時間駐車しているのかや、駐車場のリピーターがどのくらいいるのかも今後見ていきたいと考えています。

より安全な工事現場と、新しい駐車場を求めて

工事現場での安全対策としてもっと活用できる方法を見つけていきたいと語ってくれた芳賀さん。最後に、構想中のアイデアを教えてくださいました。

芳賀さん:熱中症指数モニターが付いている温度計や、風速計との連携を行いたいと考えています。今は現場にいる人間が風速計や温度計をわざわざ確認しに行っており、かなりアナログなので、そこをシステム化できればと思っています。工事現場のゲートに取り付けて、入場者の顔色を判別して体調管理などにも活用できれば良いですよね。他には、SIM付きの移動式カメラがリリースされた際には、現場のピンポイントで危険な箇所に、いつでも手軽に設置できるようになればいいなと思っています。

芳賀さんのアイデアはこれだけに留まりません。保存した映像をどのように生かしていくのかという構想についても話していただきました。

芳賀さん:「車を停める時は、安くて近場にある駐車場を選ぶ」という今までの価値観を崩すために、映像から新しい気付きを発見していきたいと思っています。もし自動運転が主流になれば、ドライバーが駐車場を探さなくても車が自動的に駐車場まで向かってくれるようになるでしょう。そういった時代の駐車場に求められる価値を考えるきっかけとして、映像を活用できればと思っております。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2018年1月公開当時のものです。

お話を伺った方

IHI運搬機械株式会社 芳賀さん