安全・安心な空港運営と、お客様の快適さのために
広大な関西国際空港でのセーフィーカメラ活用法
関西エアポート株式会社 升本忠宏 × セーフィー 佐渡島隆平 対談

関西の空の玄関口である「関西国際空港(以下「関西空港」)」「大阪国際(伊丹)空港」「神戸空港」の3空港の運営を一手に担っている関西エアポートグループ。
主要拠点である関西空港では、さまざまなシーンで、数多くのセーフィーカメラを導入いただいています。
関西空港における、ご利用方法や今後の活用法についてお話を伺いました。

(取材:2020年10月)

導入の決め手

  • 映像の美しさ、価格、クラウド対応であったこと
  • ベンチャー企業(新しい挑戦をしている会社)であったから

導入目的

  • 工事箇所での一時的な利用
  • セキュリティーの向上
  • 混雑状況の確認
  • 滑走路などの安全確認の補助

導入した結果

  • 鮮明な画像をパソコンやスマホで確認できた
  • 状況の確認がスムーズになり、対応が早く行えるようになった
  • 若手にベテランのノウハウを伝承することにも活用できる見通しがたった

1994年に世界初の本格的な人工島の海上空港として開港してから約25年。
1000haを超える広大な敷地、2本の滑走路、大きな2つのターミナルビルを始めとした、さまざまな施設を抱える関西空港。

そこにさらに多くのヒトやモノが行き交う巨大空港は、まさに1つの街ともいえる施設です。
その中で、セーフィーのカメラはどのように使われ、また今度どのように活用されようとしているのでしょう。
関西空港の運営を担う関西エアポート株式会社 執行役員 副最高運用責任者 運用統括部部長 升本忠宏さん、運用統括部 シニアマネージャー 大本貴久さんにお話を伺いました。

導入のしやすさが決め手。PCやスマホで手軽に確認できるのも魅力に

まずは、セーフィーのカメラをご導入いただいたきっかけについてうかがいました。

升本さん:最初に導入したのは、荷物のラインに検査装置を導入する工事のときでした。
工事中は、普段自動化されている荷物のラインの一部を、人の手によって行わなければなりません。
そうすると荷物がどれだけ流れているのか、滞留していないかチェックし、滞留していれば応援の人員を出す必要もあります。
そういった状況を把握するために、カメラが必要だということになりました。
ただ、設置場所の制約や、使用するのも工事の間だけということもあり、導入できるカメラにも制限がありました。

そのような中で、以前よりご紹介を受けていたセーフィーさんの製品であれば、設置場所の制約も少なく、レンタルで使うことも可能でしたので、SafieGO(セーフィー ゴー)を導入させていただいたのです。

Safie GOは給電だけで稼働するLTEルーター内蔵のクラウドカメラです。
(写真はSafieで撮影したイメージ写真です。)

実際に導入してみると、思っていたよりも鮮明な映像でした。
そして何よりスマートフォンやパソコンで映像が見られるので、現場の担当者がタイムリーに状況を把握することができるという利便性の高さが気に入りました。
そこから、さまざまな場所に少しずつ導入させていただいて、現在に至っています。

現在は、どのようなシーンでお使いいただいているのか、うかがいました。

升本さん:私たちの用途として大きいのは、「安全・安心な空港運営」のための活用です。
もう一つはご存知のように空港は、巨大施設です。
人が巡回し目視での確認も行ってはいますが、どうしてもそれだけでは足りません。
機械の目で補うことが必要です。

空港は、絶えずさまざまな工事が行われています。
工事には業者さんなど数多くの人や車両の出入りがあります。
それをチェックするためにセーフィーさんの製品を使わせていただいていたりします。

また、臨時駐車場増設の工事期間や、G20が大阪で行われた際のセキュリティー強化のために、一時的に導入したケースもあります。

当初は工事中の防犯目的に設置した臨時駐車場のカメラでしたが、完成後も監視目的で継続して利用しています。
導入が簡単で使い勝手が良いので、このように恒久的に使う場合もありますね。

Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)でマンパワーを有効活用
ベテランのノウハウの継承にも

ウェアラブルタイプのSafie Poket2の活用状況についてもうかがいました。

Safie Pocket2はバッテリー内蔵・LTE通信で使えるウェアラブル型のクラウドカメラです。
(写真はSafieで撮影したイメージ写真です。)

升本さん:滑走路の点検業務での活用を見据えて、現在実証実験を行っています。
空港では一日に何度も、係員が滑走路や誘導路などの点検に巡回しています。
落下物はないか、灯火はきちんと点灯しているか、鳥が近くに来ていないかなどを確認します。
ほんの小さな部品1つでもエンジンに吸い込んでしまうと大惨事につながるため、とても大事な仕事の1つです。

その点検時にSafie Pocket2を車載・もしくは人にもたせて、映像を撮影するようにしています。
そうすることで、現場に経験の浅い若手が巡回している場合でも、ベテランが映像を見ながら指示を出したり、アドバイスしたりすることができます。
また、何かあった際には、まずはいち早く現場に行ける者が駆けつけ、映像を別の者が判断するということも可能になります。
そうすることで、素早い対応につなげていく予定です。

佐渡島:ウェアラブルカメラを活用することで、人の目を補うという目的だけでなく、ベテランのノウハウを若手に伝えるという教育的なことにも活用できそうですね。

升本さん:そうですね。
映像が残ることで事例やノウハウが蓄積されれば、それを教材として知識の共有やベテランのノウハウを若手に継承するといったことにも使えるのではないかと考えています。
もっと技術が進んでくれば、例えば落下物をみつけたら、それが何の部品なのかということまで判断して教えてくれる、そんな未来に期待をしています。

佐渡島:場内の様子はどのようにチェックされているのでしょうか。

升本さん:現在、この空港内には、5つのオペレーションセンターがあります。
それぞれ担当区域や担当業務があるのですが、今後マルチオペレーションといって、それぞれが複数の業務範囲を担当できるようにしたいと考えています。
映像を共有できる環境があれば、何かあったときには、まず最も近いところにいるスタッフが、Safie Pocket2をつけて現場に向かい映像を送り、それを担当の人間がチェックして指示を出す、ということも視野にいれています。

佐渡島:情報の可視化と共有が、素早い対応につながり、安全性の確保にも役立つということですね。

ファストトラベルをスローガンにカメラで混雑状況を確認

顧客満足度の向上という目的でのご活用についておうかがいしました

大本さん:当社とは別会社となりますが、関西空港という施設としては、売店・免税店にセーフィーさんのカメラを導入しています。
導入当初は、レジや商品の防犯という目的でしたが、その後インバウンド観光客の増加とともに、レジの混雑具合の確認などにも活用しています。

升本さん:保安検査場や各ゲートの混雑具合をチェックするのにも利用させていただいています。我々は「ファストトラベル」をスローガンに顧客満足度を高めることを目標としています。
お客様がチェックインや保安検査場、イミグレーションをできるだけスムーズにストレスなく通過していただき、ゆっくりとお買い物を楽しんでいただいたり、くつろいでもらいたい。
そのために混雑状況をタイムリーに把握して、ゲートの数を増やしたり空いているレーンを案内したりということに役立てていました。

活用方法は無限大 安全・安心と快適性向上のために

最後に、「こんな機能がほしい」という要望や、「こういった使い方をしてみたい」といった展望について伺いました。

升本さん:今後こういったカメラで何かを見ていくといったことはどんどん増えていくでしょうし、機能も向上していくだろうと考えています。
我々の業務の中での活用範囲は無限にあるといっていいほどです。

欲しい機能としては、今は人間が映像を確認して判断するといったものですが、AIがいつもと違う状況だということを検知し、通知してくれる機能があると便利だと思います。

また、各カメラでデータを統合してトレースできるような機能もほしいところです。
例えば、ゲートは通過しているはずなのに、時間になっても搭乗口に現れないというお客様は、年に数回発生します。
そういったときに、チェックイン時の画像から、空港内にあるカメラ映像と照合して、現在はこのカメラの付近にいるということがわかると便利ですし、セキュリティーの向上にもつながります。

我々としては、安全・安心、顧客満足度向上のため、今後もさまざまなシーンでセーフィー製品の活用をしていきたいと考えています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2020年10月公開当時のものです。

お話を伺った方

関西エアポート株式会社 執行役員 副最高運用責任者 運用統括部部長 升本忠宏さん 運用統括部 シニアマネージャー 大本貴久さん