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コクヨ株式会社
ファニチャー事業本部 スペースソリューション本部 ワークスタイルイノベーション部 伊藤 毅 様
情報システム部 ワークスタイルソリューションユニット 小野寺 智也 様「コクヨ株式会社」では、新しいITツールや働き方を社員自らが試す「実証・実験の場」として、「LIVE OFFICE」を設けています。中でも、品川の「THE CAMPUS」では、社員がオフィス空間でどのように活用されているか検証するために、SafieカメラとAI People Countを利用しています。
(取材:2022年2月)
お客様に家具や空間の価値を提供する、コクヨ株式会社ファニチャー事業本部。新しいツールや働き方を社員自らが試し、検証する実証・実験の場「LIVE OFFICE」を設けています。その中でも、品川にある「THE CAMPUS」では、「働こう。街で、チームで。」をコンセプトに、新しいワーク&ライフの世界を提案するためのさまざまな取り組みが行われています。
こうした働き方の実態を把握し、顧客への提案につなげるため、THE CAMPUSでは「Safie(セーフィー)カメラ」と「Safie AI People Count(エーアイ ピープルカウント)」を導入。オフィス空間のみならず家具が実際にどう使われているか、検証しています。Safieを導入するに至った経緯や、どのように活用されているかを、ファニチャー事業本部伊藤さんと情報システム部の小野寺さんに伺いました。
「新しいワーク&ライフの実験場」でSafieカメラを活用

——はじめに、御社が展開されている事業内容について教えてください。
伊藤さん: コクヨは大きく3つ、ノートなど文具関係を扱うグローバルステーショナリードメイン、オフィス用品通信販売サービス「カウネット」の運営など、オフィスで使うものをトータルでお届けするビジネスサプライドメイン、お客様に家具や空間を提供する空間価値ドメインを展開しています。この東京品川の「THE CAMPUS」に出社しているメンバーは、ほとんどが空間価値ドメインを構成するコクヨのファニチャー事業本部のメンバーです。
——伊藤さんが所属する部門の役割やミッションについて教えてください。
伊藤さん: スペースソリューション本部には、空間を設計する人たちを中心に所属しています。その中で、ワークスタイルイノベーション部はコンサルティング業務を担っています。具体的には、オフィスにおける働き方の青図を描き、ありたい機能や要件としてオフィスの中に落とし込んでお客様に提案しています。
コンサルティングのメニューには、働き方に関する施策の浸透も含まれています。私たちの業界には、ABW(Actived based Working)といって、「目的のために場所を選択して働く」という概念があります。こうした施策を推進するために、お客様にお伝えしています。

——今回Safieカメラを導入した「THE CAMPUS」は、どういったコンセプトで作られたのでしょうか。
伊藤さん: コクヨでは社会課題解決への実証・実験の場として「LIVE OFFICE」を運営しています。自ら新しいツールや働き方にチャレンジし、どんな結果をもたらすかをまず自分たちが実感する。それがよいものであればお客様に提案をします。
その中でもTHE CAMPUSは「働こう。街で、チームで。」というコンセプトで、新しいワーク&ライフの世界を提案する実験場として位置づけています。THE CAMPUS内には、オープンラボというスペースがあって、ここで外部の企業様との連携を積極的に行っています。
スマホで映像を確認できること、クラウド管理できることが導入の決め手

——Safieカメラを導入するまでの経緯をお聞かせください。
小野寺さん: 千駄ヶ谷に「THINK OF THINGS」というコクヨのショップがありまして、そこで防犯およびお客様の来店カウントでSafieカメラを使っていました。もう1つ、社内で新しい取り組みをしたときに、その場の使われ方をスポット的に見るという用途でQBiC CLOUD CC-2Lが使われていました。
その後、スポットで作った拠点にカメラを置く際に、インフラ側でサーバーを用意したり、カメラの設定をしなくてもよかったり、とても手軽に置いておける製品だということで、2018年ぐらいから徐々にSafieカメラの活用の幅を広げていきました。今回THE CAMPUSを作るにあたっては、社員が実際にどんな働き方をするのか、行動モニタリングをしたいと考え、Safieカメラを設置することになりました。
——伊藤さんはTHE CAMPUSに導入するツールについて、どういった要件を求めていたのでしょうか。
伊藤さん: 働き方の分析をするために、ビフォー・アフターをしっかり撮ることができるのが要件でした。例えば「笑顔で活き活き働いている」といったような、実際に働いている姿が撮れたらと思っていたんです。
また、今後働き方が変わっていく中では、PCでなくスマートフォンだけで仕事ができるような世界になっていくでしょう。それを社員のみなさんに感じ取ってもらいたいと思ったので、スマートフォンで管理できることは要件の1つでした。
お客様の中には、LIVE OFFICEで使われているICTソリューションも含めてそのまま導入したいという方もいます。THE CAMPUSでは各ベンダー様からご協力いただいたソリューションをカスタマイズせずに使って、お客様にそのままお渡しできるようなレギュレーションを設定しているので、できるだけスマートフォンにつなげて使えるツールを探していました。
もう1つの決め手となったのはクラウドですね。データを持たないというのは重要な要素だと思っています。
小野寺さん: モノを持ってしまうと仕組みの維持管理に工数を取られてしまって、なかなか活用に手が回りません。webシステムであれば、いろんな方に公開できるので、活用の幅が広がるのも大きいですね。
Safieカメラとビーコンを併用し、利用状況の傾向値と実態を把握

——Safieカメラをどのように活用していますか?
伊藤さん: 例えば、弊社が新製品を出したときに、その家具がどういう使われ方をしているのかをSafieカメラの映像から検証します。
空間価値を提供する会社として、「ここを変えたことによってこうなりました」といった結果を説明するために、一番わかりやすいのが画像や映像なのです。弊社ではビーコンを用いて社内での社員の位置情報を把握していますが、ビーコンだけだと「この時間に使用頻度が高くなっています」ということはわかっても、どう使われているかがわかりません。家具がどう使われているかは、画像や映像のほうがわかりやすいですね。
コクヨにおいてはこのように、ものづくりのPDCAを回すことと、新規商材に対するアプローチとしてカメラを使っています。
ただ、忙しくて録画を通して見る時間がないので、スナップショットを撮るようにしました。日にちと時間を指定して1時間ごとに撮影し、あとからスナップショットを見返しています。
小野寺さん: スナップショットの画像だけでも、この時間帯はこんな状況だということが十分にわかりますよね。
伊藤さん: カメラだけでも、わかることはたくさんあります。セーフィーさんの画像があるおかげでいろんなことを試したくなりますね。運営管理メンバーが気になったところを1つずつ、画像が撮影された時間帯とカレンダーイベントを見比べたり、早送りしてみたり。コンサルのアイデアになっています。
——ビーコンはどういった目的で使われているのでしょうか。
伊藤さん: 1つは誰がどこにいるかがわかるようにすることです。私たちは、社内で自席を持たず、自ら場所を選択して働くという働き方でABWを実践しています。決まった席を持たない働き方ではありますが、社内で誰がどこにいるかは把握しておきたいと考えました。もう1つ、IoTの技術を家具ごとに設定して活用できないかとも思いました。例えば、このテーブルにどれくらい人が集まっているかを把握するといったことです。
このように、ビーコンでは主に傾向値を見て、セーフィーのカメラでは実態を見ています。まず、ビーコンでどこに人が集まっているのか、ホットスポットを見つけます。そのホットスポットでどういう行動をしているのか、どんな活動をしているのかを見るのはSafieカメラです。
AI People Countを活かして空間や家具の利用実態を調査

——御社では今回、セーフィーの「AI People Count」を導入されました。こちらはどのように活用していますか?
伊藤さん: AI People Countの導入は、セーフィーさんから実証実験でやってみましょうと提案いただいたことがきっかけです。
活用方法としては、オフィスが今どういう状況にあるか、特定のエリアに何人くらい集まっているのかの傾向値を見ています。画面が一覧で出てくるので、それぞれどんな状態になっているのかを見てはいますが、まだ十分に活用しきれてはいません。
——AI People Countをまだ活かしきれていないというお話でしたが、今後どう活用していきたいと考えていますか?
伊藤さん: 先ほどのビーコンの話と同じで、空間も家具も異なる3つのエリアについて、それぞれどんな使われ方をしているか見たいと思っています。例えば、あるエリアには昇降デスクを置いていますが、ビーコンだけでは実際に昇降機能が使われているかどうかわかりません。また、デスクにはモニターを2つ設置していますが、本当にそれらのニーズがあるかどうかも検証したいですね。
——具体的に、セーフィーにどんな期待をされていますか?

小野寺さん: カメラをIoTセンサーの上位互換のような形で使えたらいいですね。IoTセンサーだと会議室に設置しても、すべての人を取りきれません。AI People Countも含め、カメラだと中でどう動いてるかまで撮ることができます。そのうえで、画像に写っている人が誰なのかわからないようなプライバシーマスク機能があるといいですね。
伊藤さん: 正直、固定カメラで撮影されていることにポジティブな気持ちを持つ人は少ないので、カメラの設置を提案するとリスクを感じられることもあります。そういったところがAI People Countをオフィスコンサルで使う際のハードルになっています。お客様に対しても、プライバシーマスクがかかるから大丈夫ですと言えれば、より提案しやすくなるでしょう。
あとは、人の動いた軌跡がわかるとおもしろいですね。「右に曲がれ」と書いてあるのに右に曲がらない人がいたらそれはなぜなのか。デパートなどでも「入り口」と書いてあるのに入り口に行かない人はたくさんいます。なぜその表示に従わないのか、オフィスだったら、どれくらいの大きさでサインを掲げておけば表示に従って行動するのか、動線設計の参考にしたいと考えています。THE CAMPUSで実験をして、適切なサインの大きさを見つけられたらいいですね。
——あらためて、AI People Countを含め、Safieカメラをオフィスに設置することによって、その映像をどのようにオフィス作りに活用できると思われますか?
伊藤さん: 日頃課題だと感じている場所にカメラを設置してみて、実際に何が課題になっているのか指差しできる状態にすることが大切ですね。課題だと思っている部分に対して、カメラの映像から客観的に考えてみる。もっと言えば、声の大きい人が「これが課題だ」と言っていることが、ほんとうに課題なのかどうかの検証にも使えると思っています。例えば、1週間に1度起こっているそのできごとは、本当に「頻度が高い」と言えるのでしょうか。それよりも、1時間に1度起こるほうが大変ではないか。そうした点で、総務のみなさんはカメラを活用したほうが課題を抽出しやすいですし、何かを改善してほしいというオーダーに対して、指差しがしやすいのではないかと思います。
セーフィーさんには、我々のようになかなか動きがとれないような組織に対して、ベンチャー企業として一緒にいろんなことにチャレンジしてくれるパートナーになってくれることを期待しています。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2022年2月公開当時のものです。
取材を終えて

SafieカメラやAI People Countを活用して、オフィス空間や家具の「利用実態」を把握しようとしているコクヨ株式会社様。「カメラの画像がコンサルティングのアイデアになっている」という言葉が印象的でした。今後も事業のヒントを得ていただけるようなソリューションを提供していきたいと思います。
導入の詳細

導入目的
- オフィスエリアごとの社員の働き方をモニタリングするため
- オフィス家具の利用実態を映像で確認するため
- 特定のオフィスエリアに利用者数の傾向値を把握するため
導入した結果
- カメラ映像から特定のオフィスエリアや家具がどう使われているか可視化することができた
- カメラ映像からオフィスコンサルティングのアイデアが得られた
導入カメラ
予算
初期費用
QBiC CLOUD CC-2L
クラウド録画月額費用
なぜセーフィーに決めたか
- スマートフォンで管理ができる
- クラウドサービスである
- カメラの設置・移設が手軽にできる
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