優れたコストパフォーマンスでソフマップ店舗の防犯問題を解決
小売店でのSafie活用術

株式会社ソフマップは、ビッグカメラグループとしてパソコン製品などを中心に販売している量販店チェーンストア(パソコンショップ・家電量販店)です。

(取材:2017年8月)


※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2018年1月公開当時のものです。

導入の決め手

  • HDDが必要がなく、クラウド保存なので壊れてもデータが飛ばない
  • 棚のレイアウト変更に合わせて移動が可能
  • トータルでみると、アナログカメラに比べて初期費用・ランニングコストが安い

導入目的

  • 万引きの防止
  • 小売棚の監視
  • 万引き防止にかけるコストの削減

導入した結果

  • HDD修理の必要がないため、ランニングコストが下がった
  • 柔軟に移動できて役立っている
  • 研修にも使えると気がついた

小売業を長年苦しめている「万引き」。対策として防犯カメラ・監視カメラの導入や万引き防止のゲートシステムの構築が行われていますが、コストがかかるのが現状です。レイアウト変更が多い小売店では固定型防犯カメラでは取り外しが困難なことも課題です。セーフィー対応カメラがこの小売の課題解決に活用されはじめています。

株式会社ソフマップは、東京・秋葉原を中心に日本全国に23店舗を展開する家電量販店です。同社の代表を務めるのは、渡辺武志さん(※記事公開当時)。渡辺さんは2016年に、ビックカメラと東芝が共同で設立した防犯機器を扱う企業「セレン」にて代表を務めました。

セーフィーとの出会いは、渡辺さんがセレンの代表を務めていた頃に遡ります。当初はセレンとセーフィーで防犯カメラのソリューション販売を行うことを計画していましたが、渡辺さんがソフマップの代表になり、ソフマップ店舗でのセーフィー対応カメラ導入に至りました。

家電量販店を「万引き」から守るために従来の防犯カメラが抱える課題とは?

まず、渡辺さんに小売業が抱える課題と、課題解決のためのカメラの役割について話していただきました。

小売業の大きな課題として挙げられるのが、万引きです。万引きを防ぐために各社様々な施策を行っていますが、その中でも防犯カメラの設置や運用にはコストがかかります。

渡辺さん:家電量販店の大型店舗となると、1店舗あたり数十台以上の防犯カメラが設置されています。設置場所はレジ、出入り口、人通りの多い導線など様々です。固定型のカメラの場合はセットで数十万の費用がかかり、HDDが壊れると交換しなければいけない。壊れれば、データも飛んでしまう。初期費用とHDD交換でかなり費用がかさむんです。台数が多ければ多いほど、カメラが壊れ、修理しなければいけない頻度も多くなりますから。

小売店の場合、カメラを導入して終わりではありません。棚のレイアウトを変える頻度も多く、その都度カメラを移動する必要が出てきます。

渡辺さん:固定型のカメラの場合、レイアウト変更にあわせて移動するには業者に頼まなければなりません。当然それにはコストがかかるので、現場では諦めている部分も多く、結果として監視するべき場所を監視できていないという事態になります。カメラを設置しているにも関わらず、万引きの物的証拠が記録されていないということも起きます。

小売業ではレイアウト変更によって、売上が大きく左右されます。

渡辺さん:エスカレーターの周辺や店頭などの一等地は、レイアウトを変える頻度が高いです。その配置によって売上が大きく変わるので。ソフマップでは1日単位でチェックして、売ろうと決めたものを一等地に持っていく工夫をしていますね。

万引きの多くは「見えていない」「気づいていない」

見えていない・気づいていない万引きをいかに防ぐかがポイントなんですと渡辺社長は語ります。

渡辺さん:万引きは気づかないものがほとんどです。気づけば捕まえて、防げるんです。たとえば、商品棚にある本が一冊なくなっても気づけない。棚卸しの時に在庫があるはずなのに「ない」ことがわかるのがほとんどです。

このような万引き被害が小売店の経営を苦しめていると、渡辺さんは言葉を続けます。

渡辺さん:小売の中でも小さいお店は、万引きの影響で倒産の危機に瀕している所もあります。小売店としては「捕まえる」のも大切ですが、切にお店に来ないでほしいと願っています。防犯カメラを設置するなどし、万引きが難しい環境をつくるしかないですね。

防犯カメラが抑止力になるものの、他に手を打っていないわけではありません。カメラ以外の防犯対策として、商品にシールやタグを装着。レジを通過せずに各階や出入り口にあるゲートを通過しようとすると、警報音が鳴る仕組みです。

渡辺さん:シールやタグでの防犯対策を進めていますが、窃盗犯は様々な方法で警報が鳴る仕組みを解除しようとする。いたちごっこなんです。フックに防犯器具を取り付け、お客様が商品を手に取ることが出来ないようにする対策方法もありますが、販売員を呼ばなければ買えないため、販売効率が下がります。それにひとつずつ商品にフックをつけていては手間がかかりますよね。

セーフィー対応カメラを使って小売業の課題を解決する

小売店が防犯対策にかけるコストと労力はかなり大きく、既存の防犯カメラには解決できない課題もあります。そこで渡辺社長が注目したのが、クラウド録画型のセーフィー対応カメラでした。

渡辺さん:セーフィー対応カメラは初期費用も安く、映像はクラウドに保存され、必要なものだけダウンロードしておけばいい。ランニングコストは保守点検費として計上すれば、トータルで凄く安くなります。

レイアウト変更に伴ってカメラの位置を変えにくいという小売店特有の課題も、セーフィー対応カメラを使えば解決の糸口が見えてきます。

渡辺さん:セーフィー対応カメラは簡単に取り外して移動させることができますよね。レイアウト変更に伴って、カメラの位置を変えられる。これは従来の固定型カメラに慣れた業界にとって、革新的ではないかと思います。

レイアウトの変更に伴って、カメラの配置を変える

現在、秋葉原にあるソフマップ本社と、ソフマップ5号館にてセーフィー対応カメラを導入いただいています。

ソフマップの店舗の現場ではどのように運用されているのでしょうか。現場の担当者の多田さんからコメントをいただきました。現在、ソフマップ5号館では全部で4台のセーフィー対応のカメラを導入。3台をレジカウンターに、1台をバックヤードに設置しています。

多田さん:レジでの違算やトラブルが発生した際に映像を確認しています。頻度は1週間に1〜2回程度でしょうか。設置も簡単で、PCと携帯端末の両方から閲覧でき、操作も直感的でわかりやすいです。

1万円以上の会計が行われた際はレジ側に記録が残る仕組みになっているそうです。もし差額が出た場合は映像の中でもそのようなタイミングを重点的に確認していきます。

また、棚の陳列を変更することが多い小売店だからこそ、カメラを簡単に取り外せることが活きていると、多田さんは言葉を続けます。

多田さん:レジや高級品の陳列場所など、防犯管理するべき場所が日々変更になることが多いんです。その都度自分たちが柔軟にカメラを移動させられることが役立っています。

顔認証技術で常連のお客様へのおもてなしや危険察知アラートも

「今後のセーフィーに期待することはなにか」と渡辺社長に尋ねると、顔認証技術の向上と答えてくれました。

渡辺さん:顔認証の機能が欲しいですね。過去にお店で問題を起こした方を検知して、その人が来店した時にお知らせが届くようになれば、小売は問題に対応しやすくなるはずです。その逆で、お得意様が訪れた時に通知が来るような仕組みも欲しいですね。

家電量販店の場合は特に、お馴染みの販売員の方から商品を購入したいというニーズを持つお客さんが多いそうです。販売員にお客さんが来訪したという通知が届けば、対応もしやすくなります。

このような顔認証技術が普及すれば、「小売店における来店者と購入者の差異を計測できないという課題を解決できるのではないか」と渡辺社長は言葉を続けます。

渡辺さん:レジなどで商品を購入いただいた場合は、ある程度の顧客データが記録されます。ですが、来店者のステータスはわからないんですね。せっかくお店に来ても欲しいものがないから何も買わずに出ていってしまっているかもしれない。購入者のデータから商品の配列を考えると、お客様のニーズを読み違える可能性があるわけです。顔認証の技術があれば、そこの差異が明らかになり、売上を伸ばすことができると考えています。

ソフマップでは、セーフィー対応カメラの新しい活用方法も現在検討中です。「防犯カメラは店舗改装とともに徐々にセーフィーのものに変えていく予定」と語ってくれた渡辺さん。なんと研修にもカメラを活用することを視野に入れています。

渡辺さん:販売員がカウンターで接客している様子を撮影することで、それを教材化して使うことを検討しています。通常の防犯カメラでは声が入らなのですが、セーフィー対応カメラは音声もくっきりと記録されているので、このような使い方もできるなと思いました。

録画した映像を使って、本社にある研修センターで研修を行う計画だそうです。他にも2017年3月に行ったセーフィーとアクシスの発表会では、エンターテイメント分野での活用方法を語ってくれていました。

渡辺さん:プロゲーマーの人を呼んだイベントの様子や、グラビアアイドルの撮影の様子など、ソフマップで開催しているイベントを生配信できるといいなと考えています。まだ事務所との調整などを進めていませんが、今後の施策のひとつとして検討しています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2018年1月公開当時のものです。

お話を伺った方

株式会社ソフマップ 前代表取締役社長 渡辺 武志