遠隔臨場から若手教育まで。
海洋土木の現場で役立つ「若築建設」のSafie対応カメラ活用術

1890年設立で国内の海洋土木事業に長く携わってきた若築建設株式会社。国土交通省による遠隔臨場推進の要請を受け、全国各地の建設現場にウェアラブルカメラ「Safie Pocket2」を導入いただいております。Safie対応カメラを導入するに至った経緯から、今後の活用方法について伺いました。

(取材2020年11月)

導入の決め手

  • リアルタイムに映像の取得ができ、双方向通話が可能な機能面。また、月々の費用についても他社と比較して手頃だった。

導入目的

  • 国交省策定の「建設現場における遠隔臨場」に応えるソリューションとして導入

導入した結果

  • 新型コロナウイルスによって現場視察が難しくなったが、Safie Pocket2で可能に。本来であれば2回足を運んでいたところを、Safie Pocket2を使うことにより1回で可能になった
  • 現場視察の記録用として映像を保存・利用することもできた
  • 若手にSafie Pocket2を持たせ、疑問などを遠隔にいるベテランに通話と映像で繋ぎ指導・フォローができた
  • 新入社員研修の一環で現場見学のためにSafie Pocket2の映像を利用した

マリコン大手の若築建設

若築建設は、1890年に海上交通の要衝である洞海湾(若松港)および周辺の運河を改良し、筑豊炭田から採掘された石炭の積出港として開発・運営することを目的として設立された企業です。以来130年、海上土木事業のパイオニアとして、豊かな未来を創造するため技術と経験を積み重ね、港湾施設、空港施設、工場、医療・福祉施設の建設等、「人にも地球にも喜ばれる環境づくり」を目指した事業を展開してきました。

現在は、東京本社を中心に、東北、東京、千葉、横浜、北陸、名古屋、大阪、中国、四国、九州、福岡支店と全国各地に支店を構え、900人近くの従業員を抱えているそうです。その手掛けてきた業務の幅広さについて、吉田さんは次のように語ってくれました。

吉田さん:これまで若築建設では羽田空港の滑走路など空港関連事業のほか、瀬戸大橋やアクアラインなどの海洋土木事業に広く携わりながら大きなプロジェクトに参画してきました。今後は海洋土木を主力としつつ、国策として進みつつある太陽光、洋上風力発電など再生可能エネルギー関連設備の建設事業に関わりながら、社会に貢献していきたいと考えております。

若築建設が事業領域のさらなる拡大を目指す一方、国土交通省は遠隔臨場試行方針を策定するなど、建設現場における遠隔臨場を推進しています。その要請に応えるべく若築建設が導入を決めたのが、Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)でした。

新型コロナウイルスによる現場視察が困難になるなか
映像での現場管理や確認を推進

若築建設では、東京本社の土木部を中心に各支店含め30台以上のSafie対応カメラを導入いただいております。その導入の経緯について吉田さんはこう語ります。

吉田さん:建設業界関係のICT活用事例を調べているうちに、セーフィーの広告が目に止まりました。
そこで興味を持ちすぐにセーフィー主催セミナーに参加、個別相談ののちに9月より各地で導入しております。

佐藤さん曰く、リアルタイムで現地の画像を取得できる点、同時に双方向通話ができる点などの操作性と機能面のほか、月々の費用の安さがSafie Pocket2を選んだ決め手だったそうです。また、吉田さんは現場で抱えていた課題について次のように語ります。

吉田さん:土木部は各地の土木現場を管理する部門であるため、現場の進捗管理・確認を主な業務の1つとしています。今回の新型コロナウイルスの影響により、現地での視察が困難になってしまったため現場の管理に関して課題を抱えていました。

若築建設では、手持ちの現場数にもよりますが100を超える現場をつねに担当しているそうです。そのため、現場を効率よくまわる状態にすることは、働き方改革を推進していくうえでも重要でした。

吉田さん:基本は現場に行くことが大事ですが、いまなお出張もままならない状況です。これまでは月に1度は現地での視察を実施していましたが、いまはカメラ1台で現地の職員から映像を送ってもらっています。本来ならば2度いかなければならないとことを、1回で済んだケースもありますね。現場臨場と併用することで、より安心安全に作業進行を行えるため、Safie Pocket2は現場管理・確認業務で重宝しています。また、自らの現場での記録のために映像を活用されている方もいますね。

今後は社外向けの見学会への活用も

若築建設は、各支店に土木部を設置しており、独自で情報収集を進めていた名古屋支店ではSafie Pocket2を試験的に先行導入しています。カメラの運営方法や映像の管理体制についても伺いました。

佐藤さん:現場の若手職員が疑問点等あったときにカメラ映像と通話でベテランとやり取りができるため、若手教育に役立っています。また、本社で指定した難易度が高い工事、大規模かつ複雑な工事な場合は固定カメラも併用するため、現場の記録にも活用しています。映像の管理は基本的に各支店に設置している土木部に任せていますが、必要に応じて本社でも確認できる体制にしているため本社から指示することも少なくありません。

最後に今後の利用計画について伺いました。

吉田さん:引き続き現場管理や遠隔臨場を目的に使用していきたいと考えていますが、最近では社内向け新入社員研修の一環として、Safie Pocket2を使った現場見学も実施しました。これまでであれば撮影した映像に編集を加える必要があったのですが、直接現場の音声も録音できるため、そのまま現場の映像を届けることが可能です。新入社員研修での現場見学同様に、求職者などを対象とした見学会も開催できればと思います。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2020年11月公開当時のものです。

お話を伺った方

若築建設 東京本社 建設事業部門 土木部 工事課 吉田英治さん、東京本社 建設事業部門 土木 部 工事課 佐藤宏幸さん