佐渡島庸平(コルク)対談 「世の中によき「目」が浸透すれば、 21世紀の人の生活が、一挙になめらかになるんだね!」

「見える」未来を対談する

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Writer: 山内宏泰

2020/07/30

佐渡島庸平(コルク)対談 「世の中によき「目」が浸透すれば、 21世紀の人の生活が、一挙になめらかになるんだね!」

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セーフィー代表の佐渡島隆平と、主にコンテンツ制作の世界で活動するエージェンシー「コルク」代表の佐渡島庸平は、名字を同じくするところから察せられる通り、じつは従兄弟同士なんです。
同世代であることも手伝って、小さいころからともに遊び、なにかれと話し合ってきた間柄のふたりが、「見える」可能性と、セーフィーの事業展開、そしてビジネスで目指すべき地点について言葉を交わしました。
浮かび上がってくるのは、セーフィーがネットワークカメラを浸透させるによってこれから起こる、世の中の重大な変化です。

佐渡島庸平
隆平とは会って話すことも多いから、会社の事業内容もだいたい知っているつもりなんだけど、ビジョンはどういうものを掲げているのだったっけ?

佐渡島隆平
「映像から未来をつくる」という言葉にしているんだけどね。

庸平
映像が未来をつくる、か……。社会が変わっていくのに映像がキモになりそうなのはわかる。でも、何がどう変わるのか、どれくらい便利になるのか、具体的にはどうなるの?
カメラがあちこちに設置されると監視社会が到来してしまうのではという漠然とした恐怖を抱く人も多い中で、本当はこんな良いことが起こるんだということをはっきり示してほしいんだよね。

隆平
僕たちは「社会の負を解決する賢い眼」をつくりたいと考えているんだ。
セーフィーでは今、クラウドカメラという「眼」を、社会のなかにどんどん増やしているところ。
クルマをはじめとする交通機関の自動運転も独自の「眼」を持つことによって進展するし、エアコンなんかもセンサーというだけでなく「眼」が備わると、部屋のどこに何人いるかを検出して、温度や風量を調整できるようになる。
これからはもっと、社会のありとあらゆるところに「眼」が置かれ、「眼」が収集したデータはクラウドでデータベースに統合される。そのデータを元に最適な活用が図られていくことになる。
人体に例えると、クラウドが脳の役割を果たすイメージだね。

庸平
これまでのプロダクトやシステムを人体に例えると、情報やデータを得る機能は触覚や聴覚に似た知覚をセンサーで受け取っていただけで、「眼」のような視覚情報は使えていなかったということか。

隆平
そう、例えばこれまでの警備システムは、異変が起こると「何者かによってドアが開けられました」という情報しかわからなかった。
ドアが開いた・閉まったのゼロかイチか情報のみ。
これからセンサーが「眼」へ進化すれば、ドアを開けた人は、顔見知りのにこやかな夫婦でしたとか、あるいは見たことのない怪しい人物です。などと判別できて、僕たちが受け取れる情報が爆発的に増える。
そうして得た情報をコンピュータが解析・判断して適切なアシストができれば、人の生活の安全性・快適性・利便性は格段に上がっていくと考えているよ。

庸平
生活のあらゆることが、「眼」によってもっと「なめらか」になっていくんだね。低価格でカメラを提供できて、カメラが得た情報をクラウドデータとして蓄えておける仕組みを、セーフィーは確立しているわけだ。

隆平
その通り。これからのデータ駆動型社会に必須のプロダクトになると考えているよ。
シナプスと呼ばれる人間の神経細胞が、経験を重ねるごとにつながりを強化していくのと同じように、AIはデータを加えていくことで進化する。
AIは一例であって、これからすべてを動かすモトになるのはデータであることは、もう間違いない。
そのなかでも映像データは、テキストデータなんかよりずっと膨大な情報を受け取ることができるデータだと思っている。

庸平
「眼」の機能を押さえた「映像データ」というのは、ビジネス的にもかなり大きいということか。

隆平
まちがいなくそうだね。

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庸平
世界を席巻しているGAFAは、顧客の検索情報や人々の位置情報などの膨大なデータを持っていることが力の源泉だよね。
でも、映像データに関しては、なかなか集め切れていない。
映像データが、世界中と言わずとも、まずは日本で生じるものだけでもセーフィーにどんどん集まるということになれば、データ駆動型社会で大きな存在感を発揮できるよね。
いまNTTグループやセコムといった各分野の大企業がセーフィーと協業する背景には、そういう構造があるのか……。
最近はデータ駆動型社会における音声データの重要性が謳われていたけれど、音声=「耳」を一挙に飛び越えて、映像=「眼」の時代に移行しつつあるんだね。

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隆平
情報をめぐる環境の変化は加速度を増している。「データ爆発」と言っていいような状況になっていて、「耳の時代」からあっという間に「眼の時代」に入ったと言えると思う。
ニーズがあるからインフラ整備も急速に進んでいるし。
通信回線の容量も、YouTubeやNetflixをテレビ画面で観るような時代になってきて、どんどん大きいデータを扱わないといけなくなったことが引き金になって、ここ数年で急速に増強されたよね。

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庸平
社会全体に広がった「眼」からの情報が行き交うためのインフラが、日本でもちゃんと整いつつあるわけだね。
じゃあ、これからどうなるかの予測はいま、だれがいちばん正確に成し得ている?
インターネットが広まろうとしているとき、SNSがこれほど大きい存在になることは、ごく一部の人以外は予想できていなかった。
同じように、「眼」が行き渡る時代に何が起きるかは、まだ誰も掴めていないのかな。

隆平
そうだね、明確に未来を指し示せる人はまだいない。
どちらかというと、超管理社会を招いてしまうんじゃないかといったマイナスの予測がまかり通っている。

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庸平
新しいものが到来するときは、得てしてまず怖いものとして認識されるんだよね。
インターネットもそうだったし、ロボットやAIも、ターミネーターみたいなことばかりを連想させた。
物語をつくるときには、緊張感を持たせるためにそうしたほうがいいんだけれども。
明るい未来ってなかなか描きにくいのはたしか。
ただ、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズは、パーソナルコンピュータを一人一台持てる時代が来るし、そうなったら色々と楽しいよということを、早い段階から言っていた。
大多数の人は、コンピュータなんて大企業が持ってればいいとしか思っていなかったのに。
セーフィーも、みんなのところに「眼」が行き渡って、そうなれば「手」を増やさずとも色んなことが解決できるし楽しくなりますよと、はっきり言えたらすごいな。
みんなが想像もしなかった未来を描けたら、これほど魅力的なブランディングもないでしょう。

隆平
そうだね。未来を描きつつも、やっぱり皆、抽象的な概念を示してもピンと来ないと思うから、やはりプロダクトベースで見せていくしかないと思っている。
技術的に考えられ得る未来像は、専門書を開くと載っている。
でもそれだけではビジョンは伝わらなくて、プロダクトとして世に出て初めて理解される。
携帯端末だってiPhoneのような具体的で使い勝手の抜群なプロダクトができて実際に皆が使って初めて、その良さが理解されて、爆発的に広まったわけで。

庸平
じゃ近いうちに画期的なプロダクトが出てくるんだね?
それはもはやカメラとも呼ばれないものかもしれないけれど。

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隆平
「見る」という知覚とデータベースが一体化したカッコいいもので、それを置いておけば課題を自発的に発見し、解決してくれるツールを作ろうとしている。そしてそういうツールがいたるところにある時代がすぐに来ると思う。
そうだね。それはもうカメラという概念では捉えられないね。

庸平
そうか、カメラじゃなくて「人の代わりに課題の発見をしてくれるツール」と考えると、すごいものだと気づけるな。
会社や事業の課題を見つけるのは、今はコンサルタントなんかを入れてやってもらっているのに、それがカメラを置きさえすればできてしまうわけか。
この店や職場は働く人の動線が良くないとか、コミュニケーションがうまくいっていないなどと、稼働率や生産効率が上がらない要因を、カメラという「眼」自体がピックアップしてくれる可能性があるんだね?
さらには、この店舗は在庫の持ち方に問題があるとか、人員をもう1人増やせばいいよといった提案までできるかもしれないと。

隆平
そう。セーフィーで言うと、通信機能が付いたウェアラブルカメラが、色んな現場で活用されるようになってきた。
災害現場の現状調査に行く人が身につければ、本部に「電柱が50本倒れています」と言葉で報告するよりも、リアルタイムの映像を送ったほうが状況を確実に伝えられるので。

庸平
あ、そこも現場にいる個人の言語化能力に頼らないで済むんだね。
優れた「眼」が事象を捉えて、課題解決の方向性を示してくれるなら、これまでは現場の人間が一人ずつ「見抜く目」や報告能力を磨かなければいけなかった部分が、自動化される。

隆平
そういうことだね。仕事の現場での人の役割が変わり、負担が軽減されて、個人的なスキルのバラつきによるロスも減らせると思う。

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庸平
確かに、会社で社員の眼を鍛えることってすごく難しいことだもんね。
見たものや状況をきちんと分析して正しく報告してもらうだけでも大変。そこを進化したクラウドカメラの「眼」に任せてしまう。
アルゴリズムは構築しないといけないけれど、それは最も優秀なひとりの見方をモデルにすればいいから、一度アルゴリズムができれば、組織全体の課題解決能力を一気に引き上げられる。
ただ、それぞれの仕事や現場で、最適なアルゴリズムをつくることは必要で、そこが難しそう。セーフィーとして考えているうまい解決法はあるの?

隆平
それもデータと課題を集積させていくしかないね。
例えば建設現場で鉄筋を適切なピッチで設置していく作業は、AIとクラウドカメラを用いて効率化はできるんだけど、最初は正しい知識と熟練の業を持った人が見本を示さないといけない。
その「正解」をベースにAIが学習できれば、最適解を作り出せるんだけど、アルゴリズムをつくるまでは手間と時間がかかる。
ただ、アルゴリズム構築に使えるいい見本、すなわち「使えるデータ」も、クラウドカメラの「眼」が常時現場を見つめていてくれたら、そこで集められたデータから自然に掬い出すことができると思っている。
データは漏れなく集めるだけではなく、そのあとに精選しなければいけないものなんだよね。

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ちょうど石油と同じで、あれだけ色んなことに役立つ石油も、採取してきたままだとただの泥まみれの油に過ぎない。
それが精製されることによって、汎用性の高いエネルギーや原料へと生まれ変わる。
「データは21世紀の石油である」という言い方があって、まさにその通りだと思うんだけど、精製しなければ意味がないところまで、うまくアナロジーになっているよね。
今はデータを集める手段はかなり整ってきたものの、データの精錬所がない状態なんじゃないかな。
セーフィーは優れた「眼」をあらゆるところに届けて、それを映像のインフラにしようとしている。ここで言うインフラのイメージとは、まさに「データの精錬所」のことなんだよ。

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庸平
そうか、セーフィーが浸透させている「眼」は、世のあらゆるデータを採掘して、精製までしてくれて、みんなの生活をいっそうなめらかにするモトを届けてくれるということなんだね。
それこそ石油が、動力源になったりプラスチック製品になったりして、20世紀の世の中を圧倒的に便利にしたように。
実際のところ、いつ僕らは「眼」の恩恵を実感できるようになるのかな。

隆平
もう、すぐだよ。今年はかなり具体的な動きやプロダクトが出てくるから、ぜひ注目しておいてください。

庸平
了解!楽しみにしているよ。

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庸平さん、ありがとうございました!
クラウドカメラが皆さんの「眼」となることで世の中がどう変わっていくのか少しでも皆さんに伝われば嬉しいです。
セーフィーは2020年5月現在、約10万台もの「眼」を配っています。
これからもさらに加速して「眼配り」を進めてまいります!

著者紹介 About Writer

山内宏泰
ライター。美術、写真、文芸について造詣が深い。
著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)など。
「見える未来文化研究所」の共同編集長。
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